
小春食堂【ARS】
第6章 夢と現実【翔】
「結局、サークルには戻らず、就職の時に出版社を受けまくったんです。」
小春さんは、湯飲みに入ったお茶を出してくれた。
「でも、大手出版社はすべて落ちて…
今勤めてる教材の出版社に入社したんです。」
お茶は、ひどくスモーキーな味がして、俺は顔をしかめた。
「お茶、口に合わへんか?
京番茶ゆうて、煙たい味やろ?
でも、なれたらおいしいえ。」
小春さんは、俺の身の上話をうんうんと聞いてくれた。
「教材専門とはいえ、やっと出版社に入ったのに、配属は営業。
会社に買われたのは、記事じゃなくて、広告とってた営業力だったんです。」
またひとくち、お茶をすすった。
やっぱり、変わった味だ。
「あの忌々しい出来事の引き金になったこのルックスで愛想振りまいて、毎日塾や予備校に営業活動ですよ。」
俺、営業成績悪くないんですよ。
個人経営の塾とかは、年配女性の経営者も多いしね…
そうつけ加えた。
小春さんは、湯飲みに入ったお茶を出してくれた。
「でも、大手出版社はすべて落ちて…
今勤めてる教材の出版社に入社したんです。」
お茶は、ひどくスモーキーな味がして、俺は顔をしかめた。
「お茶、口に合わへんか?
京番茶ゆうて、煙たい味やろ?
でも、なれたらおいしいえ。」
小春さんは、俺の身の上話をうんうんと聞いてくれた。
「教材専門とはいえ、やっと出版社に入ったのに、配属は営業。
会社に買われたのは、記事じゃなくて、広告とってた営業力だったんです。」
またひとくち、お茶をすすった。
やっぱり、変わった味だ。
「あの忌々しい出来事の引き金になったこのルックスで愛想振りまいて、毎日塾や予備校に営業活動ですよ。」
俺、営業成績悪くないんですよ。
個人経営の塾とかは、年配女性の経営者も多いしね…
そうつけ加えた。
