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小春食堂【ARS】

第6章 夢と現実【翔】

「そんな外回りの合間に寄った店をブログにアップしてたんです。
そしたら、知らない人がイイネしてくれて…
嬉しかったなぁ。」

「それが、カリスマブロガーの出発点という訳やね。」

「えぇ、雑誌記者の夢は叶いませんでしたけど、もう二度と記事を書くことをあきらめたくない。
せっかくついた読者も離したくないんです。」

「そう…」


「だから、小春さん。
この店のこと、ブログに書かせてもらえませんか?
ご近所のことを気にされているんだったら、住所は伏せます。
このおいしさを伝えたいんです。」

「おおきに。でも、やっぱり無理やね。」


小春さんは、小首をかしげて微笑んだ。

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