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小春食堂【ARS】

第11章 ストレス貯めずに金を貯めろ【和也】

俺は、ジャケットの代わりに社名の刺繍が入ったベージュの作業ジャンパーに身を包み、営業活動にまわる日々だった。

靴はすり減り、外回りで日焼けした。
得意先に頭を下げ、銀行に頭を下げ…

くたくたになって夕方に会社に戻った時、ゴミ箱の中に一枚のコピー紙を見つけた。

「まだ裏が使えるじゃないか!」

プツリ、と俺の中の糸が切れたんだ。

もう、俺は従業員が人件費にしか見えなくなっていた。

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