テキストサイズ

小春食堂【ARS】

第13章 絶体絶命【和也】

「とにかく、先方にもうちにも落ち度がある。南、このことを先方に報告しろ。責任の所在は後ほど俺が話し合う。」

「わかりました。」


明日からは連休だ。刷り直すにしても、うちの工場も休みに入る。
展示会には間に合わない。


「どうしたんですか。」

騒ぎを聞き付けて、工場長がやって来た。

俺は、ことの次第を話した。
黙って聞いていた工場長は、俺の話が終わると言った。


「山ちゃん、版下直しとけ。直ったら、すぐに製版部に回して、版を焼いてもらえ。」


俺は、工場長の言ってることの意味がわからず、ただ、おたおたしていると…


「社長、明日、機械まわしますから。」


工場長が言った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ