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小春食堂【ARS】

第13章 絶体絶命【和也】

「えっ!」


俺が驚いていると、南が割って入ってきた。


「工場長、明日は…。」


工場長は、何か言いかけた南を手を上げて制し、黙って工場に戻って行った。

印刷には、たくさんの工程がある。

印刷機にかけたあと、断裁、加工、検品してやっと納品できる。

それぞれに専門の技術が必要だ。

工場が機械をまわすとなれば、そのあとの工程の担当者も休日出勤しなくてはならない。

工場長は、生産管理部に話をつけて、全部調整してくれた。

従業員たちは、それぞれ予定もあっただろうに、時間をやりくりして出勤してくれた。

そして、鈴木産業さんの展示会の前日である連休最終日に、リーフレットを完成させてくれた。

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