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小春ちゃんへの尋問はあきらめて、俺は一冊の雑誌を取り出した。


「この前、うちの劇団が演劇の雑誌に取り上げられたんだ。」


小春ちゃんは、雑誌を受け取ると興味深い様子で読んでいた。


「へぇ！潤くんも載ってるやん！“劇団きってのイケメン俳優の松本潤はこの劇団の花形であり、キレのあるダンスで舞台を盛り上げる”やって！」

「まあね。」


俺はキメ顔で答えた。


「だからさ、今日の定食のご飯を少な目にしてよ。役づくりで、ウェイト絞ってるんだ。」

「えー、体動かしてるんやししっかり食べなあかんやん。」


小春ちゃんは不服そうに、でも、言われた通りに少な目のご飯を茶碗に盛った。