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小春食堂【ARS】

第2章 カリスマブロガー【翔】

店内は、一昔前の小料理屋といったところだろうか。

古いが、よく手入れされていて清潔感がある。

客は俺の他に、年配の夫婦が一組。
小上がりのテーブルで、にこやかに食事をしている。

しばらくすると、女性が、お盆にのせた料理を運んできた。

味噌汁にご飯と漬物、小鉢がふたつ、メインは茄子の煮物か…?

ふんわりと湯気といいにおいが立ち上る。


「どうぞ、おあがりやす。」

「あの、写真撮ってもいいですか?」

俺はスマホを取り出し、女性にたずねた。

「かんにんえ、お兄さん。
うちの店は、写真も携帯電話の使用もお断りしてるんや。」

「えっ?携帯電話も?」

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