Honey star
第1章 #1 流れ星
朝――。名古屋駅のホームに列車が到着すると、吐き出されるように大勢の人が改札へ向かう。
それが終わると郊外へ通勤、通学という人達が再び乗り込む。
ひととおりラッシュが終わると、一人の駅員が軽くため息をついた。
紺色の帽子とズボン、白い開襟シャツ。
まるで学生みたいな制服だが、彼はこれを気に入っている。
「柏森さん、休憩」
他の駅員に言われて彼は軽く手を上げてホームを歩く。
柏森千種。
少し愛想が無いように見えるがホントはとても優しい。
ただ、性格が若干短気なのが悩みのタネ。
軽く背伸びをしながら歩いていくと、千種を呼び止める声がした。
「見っけた――」
聞き慣れた声にゆっくり振り向く。
(星崎鳴海―!)
背は千種よりちょっと低く、肩まである髪をひとつにまとめている。
千種はどういうわけだか、彼女が苦手なのだ。
この日も反射的に背を向けて歩く千種に対し、鳴海は背後から抱きついた。
「う…わっ!危ないだろ!」
「だって無視するんだもん」
周りの乗客に聞こえないように小声で話すと鳴海は千種からぷいと顔を反らした。
それが終わると郊外へ通勤、通学という人達が再び乗り込む。
ひととおりラッシュが終わると、一人の駅員が軽くため息をついた。
紺色の帽子とズボン、白い開襟シャツ。
まるで学生みたいな制服だが、彼はこれを気に入っている。
「柏森さん、休憩」
他の駅員に言われて彼は軽く手を上げてホームを歩く。
柏森千種。
少し愛想が無いように見えるがホントはとても優しい。
ただ、性格が若干短気なのが悩みのタネ。
軽く背伸びをしながら歩いていくと、千種を呼び止める声がした。
「見っけた――」
聞き慣れた声にゆっくり振り向く。
(星崎鳴海―!)
背は千種よりちょっと低く、肩まである髪をひとつにまとめている。
千種はどういうわけだか、彼女が苦手なのだ。
この日も反射的に背を向けて歩く千種に対し、鳴海は背後から抱きついた。
「う…わっ!危ないだろ!」
「だって無視するんだもん」
周りの乗客に聞こえないように小声で話すと鳴海は千種からぷいと顔を反らした。