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Honey star

第1章 #1 流れ星

「今度、星崎さんに聞いてみようかなと思うんですが」

どうやら由多加は鳴海と付き合うつもりらしい。

心中穏やかではない千種はそれ以上聞くのをやめた。

仕事中でも由多加の一言が離れなかった。

(あいつ、星崎とマジで付き合うつもりか)
列車を見送りながらそんなことを考えていた。

この日は千種は泊まりではなかった。

制服から私服に着替えて帰ると、途中で誰かに呼び止められた。

「柏森」

「…用宗か」

声をかけた人物を見て千種は肩をすくめた。

スラリとした背にブルー系の制服が似合う。彼は用宗穂積。
JRの駅員だ。


「今日は泊まり勤務じゃないの?」

「毎日泊まり勤務だと死ぬわ」

にやにや笑いながら話す穂積に千種は睨み付けながら反論した。

「ところで新入社員入って来たんだろ?そっちはどーよ」

すると、千種はため息をついた。

不思議そうに首を捻る穂積に不安なことを口にした。

「いきなり鳴海ちゃんを狙おうってわけねー」
頬杖をついて千種の話にうんうんとうなずいていた。


最近の新入社員はゆとりだの草食男子だの言われているが、実際はそうでもないこともあるらしい。




「彼にしてみれば鳴海ちゃんが魅力的に見えたんだよ」


「ふーん…」

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