少女グレイスと森の魔女
第3章 来訪者
21『回想』
「大事な物だったんですね…」
「おっと…」
老婆は魔法をかけるかのように人差し指ひとつでグレイスが言おうとしたくどい言葉を抑えた。
「そういえば、まだ名前を聞いてなかったね」
「グレイスです」
「おお、それは良い名だ」
「グレイスや、この宝石が欲しいかい?」
グレイスは驚いた。
「…っ!?」
「あたしがあんたぐらいの年頃だった時にもやっぱり母親にせがんだもんさ。
老い先の短いあたしが持っていても持ちぐされだからね、あんたにあげてもいいよ」
「…本当に!?」
「ああ本当さ。ただし、条件がある」
「条件…って?」
「なあに、たまにあたしの家に来て話し相手になってくれればいいのさ」
「いくわ私!
お婆さんに会いに!」
「こんな会話をしたのも何年ぶりだろうかねぇ?ひひひ」
老婆は心地よさそうだった。
「大事な物だったんですね…」
「おっと…」
老婆は魔法をかけるかのように人差し指ひとつでグレイスが言おうとしたくどい言葉を抑えた。
「そういえば、まだ名前を聞いてなかったね」
「グレイスです」
「おお、それは良い名だ」
「グレイスや、この宝石が欲しいかい?」
グレイスは驚いた。
「…っ!?」
「あたしがあんたぐらいの年頃だった時にもやっぱり母親にせがんだもんさ。
老い先の短いあたしが持っていても持ちぐされだからね、あんたにあげてもいいよ」
「…本当に!?」
「ああ本当さ。ただし、条件がある」
「条件…って?」
「なあに、たまにあたしの家に来て話し相手になってくれればいいのさ」
「いくわ私!
お婆さんに会いに!」
「こんな会話をしたのも何年ぶりだろうかねぇ?ひひひ」
老婆は心地よさそうだった。