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少女グレイスと森の魔女

第5章 クレア

30『跡始末』


老婆は町を歩いて見て回っていた。


「こりゃしもた…。
あの娘にあたしの家を教えてなかったよ。年をとると忘れっぽくなって嫌だねぇ。今から戻ってあまりうろうろするのも…

おおっ!?」




老婆は居眠りをしている占い師を見つけた。

「なんだ、ここにいたのかい。
……
ちょいと、あんた」



「…ん?
ああ、こりゃあどうも
ふぁ〜、あ…

何かご用で?
また宝石探しですかい?」

占い師は頭を傾けて首をこきこきと鳴らしている。


「いいや
あれはあたしの勘違いだったよ。だから、そのことはもう忘れるんだ。
いいね?」



「へいへい、そうですかい。そりゃようござんしたね」

占い師は再び寝る準備に入った。



「世話になったね」

そう言うと老婆は金を置いて去っていった。

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