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少女グレイスと森の魔女

第5章 クレア

29『二人の秘密』


グレイスは少し誇らし気な気分になってきていた。

「お婆様にいただいたのよ」



「…グレイスにお婆さん、…いたっけ?」



「知り合いのお婆様にいただいたの」



「ふーん

ねえ、グレイス。私の持っている金貨と交換しましょうよ」



「ええ!?
駄目よ。これは大事な物だから」



「え…、金貨よ?」



グレイスは首を縦に振らない。



「…ならいいわ。

じゃあ…、それ貸して。
ちょうだいって言っているんじゃあないの。
少しの間だけ金貨と交換で貸してくれればいいのよ。それならいいでしょう?
ね?ちょっとだけ」



そこからはクレアの独壇場だった



「今から家に戻って金貨を持って来るから、ちょっと待ってて!」



「…あ、二人だけの秘密よ?」

クレアはその言葉とグレイスを残して駆け出して行った。

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