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少女グレイスと森の魔女

第5章 クレア

33『待ちぼうけ』


いくら待ってもクレアは来なかった。

日が暮れてしまうのでグレイスは家に帰ることにした。

クレアは忘れているのだろうか?


グレイスにとってはその方が良かった。


クレアには宝石を渡したくない

どうせ交換なんてもともとはクレアが一方的に決めたことだ

このままうやむやにしてしまおう








「あら?
思ったより早いじゃないか。もういいって言われたのかい?」

母が帰ってきたグレイスに訊ねる。


「うん…」


「そうかい。
森に入ってまた戻ってたら遅くなるもんね。考えてくれてるじゃないか、お婆さん」


「あのお婆さんは人の心が読めるんじゃないかねぇ?
森の気持ちだってわかるようだし。
森に住んでるとああなるのだろうか?」

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