少女グレイスと森の魔女
第9章 夜が明けるまで
63『隠し場所』
「あんた、あのクレアとかいう娘を犯したろう?
あたしにはできないからね」
……!?
ヒゲの男はクレアを埋めた場所をちらりと見、再び老婆を見返した。
「さっきから気味の悪い婆さんだ。やはり魔女と噂されているだけあるな。
その通りだ、途中で嫌だ嫌だと泣きながら逃げようとしたものでね。
枕をあの子の顔に押しつけて大人しくさせていたのだよ」
「だが、終わってみれば…ご覧の通りさ。
いや、これには私も参ったよ」
ヒゲの男は両手を上げて肩をすくめた。
そのまま続けて喋る。
「ここならば誰も探しに来ることもないだろうからな」
「ところで婆さん、あんた夜目はきくのかね?
何やらご大層?な武器を持っておられるようだがしかし当てられる自信はあるのかね?」
ヒゲの男は老婆に近付いていった。
「今はその必要はなさそうだがね?」
それを聞いて男はヒゲをピクリとさせて動きを止める。
ふいに自分の右肩にポンと何かを置かれたヒゲの男は驚いて体を硬直させた。
それはまるで背後から銃口を突きつけられたように。
そして、ヒゲの男は背後から静かだが威圧的な声を聞いた。
「…そこまでだ」
「あんた、あのクレアとかいう娘を犯したろう?
あたしにはできないからね」
……!?
ヒゲの男はクレアを埋めた場所をちらりと見、再び老婆を見返した。
「さっきから気味の悪い婆さんだ。やはり魔女と噂されているだけあるな。
その通りだ、途中で嫌だ嫌だと泣きながら逃げようとしたものでね。
枕をあの子の顔に押しつけて大人しくさせていたのだよ」
「だが、終わってみれば…ご覧の通りさ。
いや、これには私も参ったよ」
ヒゲの男は両手を上げて肩をすくめた。
そのまま続けて喋る。
「ここならば誰も探しに来ることもないだろうからな」
「ところで婆さん、あんた夜目はきくのかね?
何やらご大層?な武器を持っておられるようだがしかし当てられる自信はあるのかね?」
ヒゲの男は老婆に近付いていった。
「今はその必要はなさそうだがね?」
それを聞いて男はヒゲをピクリとさせて動きを止める。
ふいに自分の右肩にポンと何かを置かれたヒゲの男は驚いて体を硬直させた。
それはまるで背後から銃口を突きつけられたように。
そして、ヒゲの男は背後から静かだが威圧的な声を聞いた。
「…そこまでだ」