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経済財政愚問放談 その1

第5章 「談合」と「価格カルテル」

「価格カルテル」とは何か?

価格カルテルとは、同じ商品を扱う生産業社や流通業社が、過度な価格競争で値崩れしたりするのを防ぐ為に、各社で協議して商品の価格を統一する事です

生産業社にせよ流通業社にせよ自由競争原理に任せて野放図に価格競争を繰り返せば、何時かはコスト割れを起こしたり、競争に負けて脱落する業社が出て来ます

資本主義における競争原理に鑑みれば、競争に負けて脱落する者は淘汰されて然るべきなのですが、しかし、昔の日本人はこう言う不毛な競争を好みませんでした

ですから、「価格カルテル」で過度な競争を抑制し、商品の品質や接客・サービスで勝負する道を選びました

同じ土俵に立って正々堂々と勝負する・・・

日本の武士道精神にも通じる高潔な考えだと思います

この価格カルテルが、日本製品の品質向上に繋がった一因だと個人的には考えております

無用な価格競争を押さえ、適正な利益を得ることで、商品開発や人材育成、雇用の安定化と年功序列の様な労働者全員の定時昇給を可能にしておりました

その恩恵を、労働者である国民が享受していた事になります

しかし、マスコミが「闇カルテル」等と如何にも悪辣な価格統制の様なプロパガンダを展開し、不当に消費者から利益を得ているような印象操作をしました

消費者でも有る国民は、マスコミの印象操作に乗せられて、自分の生活の安定にも必要であった「価格カルテル」を悪い事だと考える様に成りました

そして、価格カルテルは、各社が競争出来ない位の原料輸入コスト増大でも起きない限り、行われなく成りました

それでもたまに、マスコミが「闇カルテルがー!!」と騒ぎ立てます・・・

マスコミが、騒ぎ立てる経済問題で、あれが悪い、これが悪いと言っている物の幾つかは、この様に日本人が編み出した生活保証や企業の無用な倒産を防ぐセーフティーネットでした

企業倒産が少なければ、離職者を最低限に押さえる事も出来ていた訳です

特に前出の「談合」や、今回の「価格カルテル」は、ことさらに悪い事だと宣伝されましたが、実際には、我々一般労働者が最大限に受益していた大事な大事な制度だったのです・・・

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