テキストサイズ

経済財政愚問放談 その1

第3章 年功序列の終焉

では。資本主義や企業経営学的理論から見た人件費とは何なのでしょうか?

人件費も資本主義的見地から見れば、コストの一つに過ぎません

勿論、企業経営学的理論から見ても同じです

人材の教育費も設備投資と同じで、生産性向上の為の必要経費と見る事が出来ます

つまり、人件費もコストで有る以上、過剰生産能力に含まれる人材は、必要の無い景気後退期には出来るだけ減らしたい

そこで生み出されたのがアルバイトやパートタイマーでした

つまり、必要な時に必要な人材を必要な期間雇用し、不要になったら解雇できる人材枠ですね

わかりやすいのはパートタイマーで、例えばスーパーなどで忙しい時間帯(夕方等)に短時間だけ雇用する雇用形態ですね

忙しい子育て中の主婦達の貴重な雇用枠に成っております

更に一歩進んで、正社員や技術職が行うような仕事も、派遣社員や契約社員等非正規雇用で賄うように現在では成ってしまいました

資本主義的理論や企業経営学的には人件費もコストで有る以上正しい事なのですが、雇用が不安定化し収入が減る事によって貧困化が進む原因になり、結果消費者でもある従業員の購買力を奪ってしまいデフレが深刻化してしまいました

しかし、一概にこの事が悪い事だと断じてしまう事は出来ません

見方を変えると、正社員ではコスト的に雇用しきれなかった人材を、非正規化する事によって雇用する事が出来るようになったのも事実で、確かに従業員は貧困化しましたが、失業者を減らすことが出来た

これが起きたのが、いわゆる小泉改革の時で実際に失業率は改善されて行きました

しかし結果論では有りますが、デフレは深刻化したのも事実です

此処までの解説で何故「年功序列」が潰えたかおわかりいただけたかと思います

つまり、景気後退期において人件費を減らさざる負えなくなった企業経営者が、年次昇級である「年功序列」を維持する事が出来なくなったからであります

それどころか、雇用者数も減らさざる負えなくなった訳です

バブル崩壊が一番の原因では有りますが、もう一つ理由が有ります

それが、いわゆる「新自由主義経済論」”グローバリズム”です

ストーリーメニュー

TOPTOPへ