テキストサイズ

経済財政愚問放談 その1

第3章 年功序列の終焉

「新自由主義経済論」や「グローバリズム」は最近新聞や雑誌、インターネットの経済ブログ等で良く耳にする経済用語だと思います

さて、新自由主義経済論がいわゆるグローバリズムの事なのですが、ではグローバリズムとは何でしょうか?

細かい学術論はさておき、大雑把には読んで字の如く、企業が無国籍化し国境を越えて経済活動を行うことです

近年○○ホールディングス等の持ち株会社が増えて来たのも、グローバリズムによる結果です

生産業では、例えばフィリピン等に工場を建設し、安い人件費を利用して、ローコストで製品を生産し近隣各国へ輸出したり生産国で流通させます

金融業では、保険会社等は各国へ同じく国境を越えて展開し、証券会社等はインターネットを活用して世界中で取引を実行します

つまり、生産業の場合、特殊な商品はさておき、一般的な工業製品の場合、人件費の安い国で生産し、日本やアメリカの様な経済大国に輸出した方がコストも安く、又儲けも大きくなる訳です

そして持ち株会社化する事によって、世界各国で作り出した業績による配当金を効率的に収集出来る訳です

しかし、このグローバリズムには致命的な構造的問題点があります

グローバル企業の本籍地である先進国の生産業が、空洞化して行ってしまう事です

つまり、安い人件費を求めて後進国等に進出する企業は良いのですが、その工場で働いていた本籍地の従業員が失業する可能性が有ると言う事です

この時点でおわかり頂けたかと思いますが、要するに「年功序列」以前に失業してしまう可能性が有る事

又は。本社勤務等のホワイトカラーは比較的大丈夫ですが、それ以外のブルーカラーでは格差が広がってしまう構造に有る事です

つまり生産現場の人間程失業等の貧困化するリスクが高い訳です

しかし、どんな先進国でも、国民全てがホワイトカラー等の頭脳労働に就ける訳では有りません

従って全体のパイ的に多いブルーカラー系統の労働者が貧困化する事によって、デフレ化が構造的に進み安くなるのです

日本もデフレ化が進んで行く中で、グローバリズムにどんどん突き進んで行き、国内は長期デフレ化、工場作業員や簡単な事務等は非正規雇用化され、格差がどんどん広がって行きました

こうした世の中の流れの中で、「年功序列」や「終身雇用」等の格差是正・生活安全保障の制度は失われて行きました

ストーリーメニュー

TOPTOPへ