友達以上恋人未満
第3章 海
それからしばらく、
連絡はいつものように
おはよ、おやすみの繰り返し。
今までと違うのは、
彼は仕事終わりにたまに
わたしの家の前まできて
2人で彼の車の中で
おしゃべりをするように
なったこと。
彼は部屋に上がろうとはしてこなかった。
いつも会うと最初に、
今日は学校頑張った?と聞いてきて、
うん、とわたしが答えると、
いいこや。
と言って抱きしめてくれた。
時々頬へのキスもしてくれた。
それ以上はしないでいてくれた。
でも、彼はいつも、何故か寂しそうだった。
さよならの前に抱きしめられる時は、
言葉にはしないけど
帰らないで
って言われているような感じで
ぎゅっ、と抱きしめられた。