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ひざカックン

第9章 てんき


台風一過…青い空。

空が高くなった気がする。

…引っ越しの日だ。

結局、彼女には連絡できなかった。

…仕方ないさ。

大人の都合なんて、子供にしたら台風みたいなもんなんだ。

不可抗力。

天災。

そもそも、僕と彼女の関係も奇跡みたいなもんじゃないか…


僕は自分に言い聞かせ、誤魔化そうとして、言い訳を繰り返していた。

彼女との思い出と、やりきれない罪悪感が波のように途切れず押し寄せてくる。

…これで僕と彼女の世界も終わる。


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