山岸君と照井君
第10章 意識して―――……。
「――――あの人とは私の事ですか?苑君?」
「――――…あ、麟太郎さん!!」
「――――…誰…
山岸の兄さん――――?」
山岸の自宅から出てきたのは…
背の高い――――…
スーツ姿の男性…
つーか!!デカイ…長い!
しかも――――…モデル?俳優?ってくらいに…イケメンではないか!!
山岸の…兄さん…?山岸も…メガネを取れば美形だけど…
この…麟太郎さんとやらは…違う部類の…イケメンだ…
「兄さんじゃないよ…家庭教師の米屋 麟太郎(コメヤ.リンタロウ)さん…」
山岸は、スーツのイケメンノッポを俺に紹介する…
「で、苑君……随分遅かったけど…寄り道ですか?」
米屋は、俺に一礼すると…山岸を問いただす…
家庭教師って……風貌じゃねーな…
何だか…怖い……なぁ…
「時間があったから、帰宅難民にならぬよう…歩いて帰ってみたんだ!!
麟太郎さん…まだ時間じゃないのに…早いですね」
米屋は、山岸に向かっては微笑んでいるが――――…
何か…俺に対しては……
何か…目が笑ってないと言うか…