山岸君と照井君
第39章 番外編②―――……
心陽から…
聞いていたが―――…
一心の遺伝子上の父親は…
すでに他界していた―――…
「生まれたぞ…男の子だ―…
だが…残念だな…
母親似だ――――…
貴様の要素は何一つない…」
俺の腕のなかで眠る一心は…
母親の心陽に似て可愛い顔をしているから…仕方ない…
「で…一心の…書類上の父親は俺だ…
山岸 雷心と言う――――…
悔しいか?
二人を置いて先に死ぬお前が悪いんだ…諦めろ」
俺は、墓に線香を上げ…水をやる…
片手で一心を支えながら…
慎重に墓に向かう…
都―――――…翔(カケル)…
心陽の――――…父方の…
従兄弟……
そう…
心陽の家族…親族からの縁切りの…原因…でもある都 翔(ミヤコ・カケル)の墓に…
生後11ヶ月の一心を連れて…
敗北勝利宣言に来たのだ――…