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風景画

第47章  poemtory 〜カクテルはジンベースで Ⅲ




カウンター越しの

窓から見える夜空が

足早に冬へと向かう



今夜は

しきりにあの人が想われて…



ぽつりと呟き傾けたグラスから

シングルモルトの芳香が浮かぶ



出逢ったときの

ときめきがそのままで

言葉に 声に

触れるだけで心が揺れる…



夢見るように

氷だけになったグラスを回せば

あえかな響きが 甘く苦しい



そう

次も同じものを

いや、もっと別の、何か…



やるせない胸に注ぐのは

熱い吐息と

冷たいカクテル



…ああ、これが夢一夜か

ゆめ、ひとよ…



その淡い紫は

15分だけ夢をとどめる



では

束の間

甘美な夢に酔いしれよう



そして

夜のしじまが深くなる







(了)



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