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風景画

第1章  風待月




雲間から届く月明かりが

足元に映す窓の影



それはさながら秘密の扉



扉の向こう

恋しい人へと続く道が

隠れているように思え…



けれど

伸ばした手を拒むように

たちまち闇に閉ざされる



冴えた月も今は見えない



気紛れなつゆの夜空が見せた

ほんの 幻







(了)



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