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第101章  サザンクロス・レター


** 兄から妹への手紙 **



親愛なる君へ



どれほど驚いたことか…

君からの手紙が届いた時

思わず天を仰いだ



考えてみれば

君は幼い時から

かくれんぼで見つけることが得意だったね



戸惑いながらも

正直とても嬉しかったよ

こちらでは

日本語を使う機会は殆どないから



そう

君からの手紙はお察しの通り

満点の星の下 読ませてもらった

ところどころ

文字が滲んでいることに

胸を痛めながら…



なぜ…?

と、君は問うのだね

答えは

自分の力だけで

生きてゆきたかったから、だ



納得できない時の癖で

君が今、口を尖らせているのが

見えるようだ

でもね、これが答えだ



昼は体を使ってコーヒー園で働き

夜は南十字星を眺めながら眠る

厚くなっていく手のひらに

生きている証を感じられるよ



僕は元気にしている

心配は…もうしなくていい







(つづく)



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