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風景画

第14章  紅染月 ③




急ぎたがる季節が

降らす雨は

夏色の跡をさますように

肩を濡らす



震える花弁の紅色と

揺れる葉先も

戸惑いを隠せぬままに

息をひそめる



切り取られた晩夏の時…

雨の向こうにあなたを想う







(了)



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