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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第29章 幸せはどこにある(2)【翔】

銭湯には露天風呂があって。

相葉くんとふたり、湯につかりながら空を見上げる。

雲の流れがはやい。

上空は風が強いんだな。

露天風呂には、俺達の他にはおじいちゃんがひとり。

そよそよ吹く風に吹かれ、湯につかっている。

「気持ちいい…。」

俺は目を閉じた。

おじいちゃんが、内湯に戻って行った。

「ねぇ、翔ちゃん。」

「んー?」

「キスしちゃう?」

おどろいて目を開けると、相葉くんが顔を傾けてきた。

俺はそっとその唇に触れた。

幸せは、ここにもあった。

【幸せはどこにある(2)・翔】

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