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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第31章 触手【和也】

カーテンを閉めた暗い部屋でテレビの明かりだけが浮かび上がる。

俺はコントローラーを両手に、冒険の旅に出ていた。

朝から何時間もこうして、モニターの中の主人公を旅させている。

「のど、渇いたな…。」

俺は、かたわらに置いたお茶のペットボトルに触手を伸ばした。

「くそっ、なんでこんなところから…!」

思わぬ場所から現れた敵にイラッとしながら攻撃を放つ。

攻撃しながらペットボトルのふたを開け、のどを潤し旅を続行する。

インターホンがなる。

俺は触手を玄関まで伸ばしてドアを開ける。

「毎度ありがとうございます!」

玄関に入って来た男は触手から金を受け取り、ラーメンをのせたトレイにお釣りを置いた。

「8時にまた同じの持って来て!」

俺は玄関に向かって大声で叫ぶ。

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