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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第33章 このままもっと【翔・潤】

妹「まさかとは思うけど、兄が松本さんを連れて行ってしまったのではないかと思うと、申し訳なくて…。」

真保「いえ、決してそんなことはありません。」

私がキッパリと否定すると、妹さんは少し驚いて言葉を止めた。

妹「そうよね…、そんな非科学的なことないわよね。ごめんなさい。」

私は、ずっと持ったままになっていた櫻井さんの家の鍵を妹さんに返し、妹さんのお宅を後にした。

はじめから、わかっていた。

出会った時から、潤の中で櫻井さんが大きな存在だったことは。

それが尊敬か友情か、それともまた違う感情なのかはわからなかったが。

潤自身、自分の気持ちをよくわかっていなかったようだ。

付き合ってる時も、結婚してからも、潤は私に優しかった。

でも、いつもどこか遠くを見ていた。

私が、潤を独占できたことなんかなかった。

だから、葬儀は私一人で行なった。

最後くらい、潤を独り占めしたかった。



櫻井さんの家で見つけた潤は、恍惚とした幸せそうな表情をしていた。



車に乗り込み、エンジンキーを回した。

空は黒い雲が立ち込め、遠くの空に稲妻が光り、雷鳴がとどろいていた。

【このままもっと・翔・潤】おわり

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