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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第35章 嫉妬【翔】

和「あー、この味は、“言いたくない”。」

智「あ、ほんと。これは“言いたくない”。」

グルメをかけたレギュラー番組のクイズコーナー。

珍しく一番最初に正解した智くんと、二番目に正解したニノがじゃれている。

ニノが投げた言葉のボールを、阿吽の呼吸でキャッチする智くん。

二人の間には他の者は決して入れない、そんな濃密な空気を感じた。

翔「お前たち、もう帰れよ!」

俺は、グルメデスマッチなのに一向に味の説明をしない二人を叱った。

ちょっと強めのツッコミに、スタジオは沸いた。

そう、これはツッコミだ。

番組を盛り上げるための、ちょっとした毒なのだ。

デスマッチの収録が終わって控え室に戻る廊下、潤が俺の背中に話しかけた。

潤「翔さん、えらくいら立って、どうしたの?」

翔「え…?」

潤「ちょっと疲れてるんじゃない? そんなに感情むき出しになるなんて、翔さんらしくないよ。」

潤は俺の肩をたたくと、俺を抜かして歩いて行った。

翔「感情むき出し…?」

俺は、廊下で立ちつくした。

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