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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第35章 嫉妬【翔】

気を取り戻して控え室に入ると、ニノと智くんが何やらごちゃごちゃとふざけてる。

和「で、大野さん。あの後輩とは食事に行くんですか?」

智「んあ、また今度な。」

和「アナタの今度は一生来ないですよ。」

智「そうか?」

ニノと智くんがひとしきり笑いながら帰り仕度をしている。

俺は、なんとも言えないぐつぐつと腹に燃えるものを感じた。

雅「翔ちゃん、どうしたの? 怖い顔して。」

雅紀が俺の顔をのぞき込んだ。

翔「あ…?」

雅「ちょっと疲れた? マッサージしてあげるよ。」

雅紀は俺のほっぺをつかむと、左右ににゅーっと引っ張った。

雅「ほらー、顔の筋肉リラックスして!」

雅紀にいいようにされている俺をニノが見つけ、智くんの肩をたたいた。

智くんは、ニノと二人で俺の顔を見て笑い転げた。

そして、ニノは俺たちの真似をして智くんのほっぺを引っ張った。

智「やめろよー。」

智くんが、ニノのほっぺを引っ張り返した。

俺の中の何かの糸が、ぷつんと切れた音がした。

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