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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第9章 &【智】

次に翔ちゃんに会った時、プレゼントを渡した。

「開けてみて。」

小さな紙袋を渡したんだ。

翔ちゃんは、そーっと紙袋を開けた。

「これ…、作ってくれたの?」

プレゼントは、革ひもで作ったブレスレット。

この前翔ちゃんが連れて行ってくれたホームセンターで材料を買った。

「ありがとう…。これ、Sのチャームがふたつついてるね。」

革ひもに、Sと刻印された金属製のチャームをふたつつけた。

「これって、ひょっとして、“翔”と“さ、さ、さと…”」

「イニシャルだよ。」

「あっ、あっ!“櫻井翔”ね!そ、そうだよね!うん、そうだよね!」

翔ちゃんは、ひとりでまくし立てると、なで肩をがっくし落とした。

「翔ちゃん、気に入らなかった?」

俺は心配になって聞いた。

「ううん、そんなことないよ!気に入ったよ!ありがとう!」

翔ちゃんは、その場でブレスレットを腕につけた。

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