無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

今の今まで俺が読んでいたケータイ小説。

俺と潤のストーリーだった。

お互いに距離を感じていた二人が、ある出来事をきっかけに深い関係に落ちる、という話だった。

やはり、世間は気づいている。
俺が潤に心の距離をおいていることを。

俺は、決して潤が嫌いなのではない。
俺のあとをついて回っていた幼い潤がどんどん大人になっていく様子に戸惑っていたのだ。

潤に対する接し方を見失い、ずるずると今日まで来ていた。

ケータイ小説の中の俺は、そんな自分の心の殻を破り潤を求めて抱いていた。
ふたりの距離を取り戻すように、激しく乱暴に潤を求めていた。
潤はそんな俺を受け入れ、恍惚とした表情で喜びに満たされて言った。
『翔くん、俺ずっと翔くんのこと待ってたんだ…。』


「こんなケータイ小説、仕事前に読むんじゃなかった…。」

俺は小さくため息をついた。