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凍夜

第2章 恥辱


普段は私は、ビールをあまり飲まなかったけど、ユキがビール好きだから私も合わせた。


ロンググラスに満たされたビールをユキは瞬く間に飲み干してゆく。


そして、いつものようにバッグから赤い錠剤を取り出すとおもむろにかじった。


「また、アカいくの?」

私が訊くと、何処をみているのかわからないような目で、

「うん。いくよ。」

と、うふふと笑った。


私もユキと同じクリニックに通っていたけれど私はそれを処方されてはいなかった。

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