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凍夜

第3章 花


由美子はただ、もっと、ママと一緒に居られる時間が欲しかっただけなのに、それがままならないから不満を抱えていた。

ママと由美子は、たった二人の家族だった。

市営住宅暮らしは近所のおばさん達が何かと噂好きで、由美子にさぐりを入れてくるのが日常茶飯事で、それがとっても鬱陶しかった。

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