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凍夜

第1章 氷雨


誰と名乗らなくても、電話の主が誰かは私には直ぐわかった。

《ああ、やっぱりか》

私は、直ぐにうなだれた。

頭の中にこびりついていたはずの雨の音が、ぴたりと止まり、今度は風の抜ける淋しい音が、ひゅうと鳴り響いた。

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