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凍夜

第6章 浸食


「それから、川原さん。先程のお話なんですが、契約制度とか私にはさっぱり意味がわかりませんの。何か取り違えてらっしゃらない?」



「……そんな!リナさん。」


「当クラブは、楽しい時間を過ごして頂きますが、契約制度など、売春斡旋まで致しません。わたくしは代表者です。御理解頂けますか?」



「……!確かにね。そうだったね、リナさんは代表者だったね……。」

川原がハッとしたように私を見た。



「御理解頂けたら、私も嬉しく思います。今後とも何卒宜しくお願い致しますね。」


私は深々と頭を下げた。



「……それじゃ、リナさんに話をしたかったら……?」


「オフィスにご連絡頂けますか?今日のお話もまだ途中でしたものね。わたくしも詳しくお聞きしたいですし。」


「電話しますよ。必ず……!」


川原が、立ち上がった。


「それから、川原さんは本日より会員様でいらっしゃいますから、次回ご利用になるさいは、是非とも当クラブの女性と楽しい時間を過ごして頂きたいものです。ユキさんは本日不在でしたが、また確認してみて下さいね。他にも多数の女性が在籍しております。」


「……リナさんの言う事はよく理解しているよ。僕も大人なんでね。」

川原はポケットに手を入れると、ルームキーをひっぱり出し、手のひらで弄んだ。


「ありがとうございます。川原さんは本当に紳士で素敵な方ですね。わたくしとっても感謝しております。」

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