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凍夜

第1章 氷雨


父と母が、嫌がる姉の腕を掴み、イヤイヤしているその首に、ネクタイを巻きつけた。


父も母も泣いていた。



姉は必死に振り返り、私を見た。


姉の涙いっぱいの目と、私の目が合った。


私は恐ろしくて、見ているだけだった。

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