不良に良好
第2章 2
「佐山って視力どのくらいなの?」
「右が0.2で…」
「は?それ結構ひどくない?」
よく生活できてるな、こいつ。
「今はコンタクトしてるから…でも慣れてないから、えっと…」
「何だよ」
いきなりもじもじして、キモいな。
「だから、海崎くんが居てくれて助かってるよ」
「………え…」
しまった。
やばい、不意打ちだった。
いや不意打ちってなんだよ中学生でもあるまいしさ。
それより、それよりも。
「……あ、これにしようかな…。」
手に取った眼鏡は、俺が似合ってるとこぼした楕円のフレーム。
「…佐山あのさ、やっぱ…」
「え?」
!!!!!
「や、何でもないわ。それにすんの?」
「うん、店員さん呼ぶ」
あーあーあー。
何を言いかけたんだろう。俺は。