不良に良好
第5章 5
理科室には、なぜか2人しかいなかった。
それも、
「あっ…夕夜く…」
「海崎君、遅かったな」
相川が陽太に絡んでいた。
「…」
いまいち真意が読み取れねーな
陽太は席についたまま、俺と相川を交互に見ている。
「夕夜くん、教室で自習だって…」
へー、ラッキー
「やったー寝れるじゃん。
あれ、相川はいつまでいるの?」
陽太が、あ!!と言いたい目をする。
「駄目かな。なあ、佐山」
「え…と…」
こいつ
今、陽太を
「夕夜く…」
「陽太、行こう」
俺は無理やり腕を引っつかんで
持ってきた教科書やノートの事なんて忘れて
走った。