初恋2
第1章 アメリカ滞在中。
莢さんが動き出したのはかなり後のことだった。
「私、日本に待ってる人がいるんです。春希さんにも申し訳ないんです。お願いです。結婚取り消しはできないんですか?」
莢さん一家と僕の家族が集まった日。
もうそれは日本を離れて6年のことだった。
なんだかんだ結婚はしていなかった。
莢さんとの生活にもなれていた。
「それは無理よ。」
僕の母上。
「奈央っ!!やめなさい!」
父上が怒る。あの日から2人はケンカしたままで。
「っるさい!!黙ってて!アナタは。」
「まぁまぁ、奈央さん。落ち着いて。」
莢さんのお母様はとても優しそうだ。
「どうしてそこまで結婚させたいのかしら?」
「………もう、いーわよ。勝手にすれば?」
は?
何?この人。
何?この母親。