ネムリヒメ.
第7章 知らない自分.
「ちーちゃん、おはよ♪」
「おはよう、どうしたの?」
葵くんを乱雑に引き剥がしながら、聖くんが笑顔を向けてくる
「ん、葵くんのコト渚くんにチクってみただけ♪」
みただけって…
「こ、れ…」
聖くんがアタシの首筋に手を入れて髪をかきあげた
露になる首筋…
そこにはきのう葵くんにつけられた紅い跡と…
「ぅゎ…」
聖くんが小さく驚いたあと、窓際で新聞を読みながらコーヒーカップを傾ける渚くんに目を向ける
「ふーん…………」
「……?」
「じゃ、オレいってくるねー♪」
聖くんは意味深な笑みを浮かべたあと、アタシの頬にそっと唇で触れると、なんだか楽しそうにダイニングを出ていった
やっぱり聖くん、掴めないな…
「ちーちゃんもゴハン食べる!?」
首を傾げていると、そこへキッチンから朝食を運んでくる葵くん
今朝の彼はカッコよく髪がセットされ、瞳には青いコンタクトが入っている
シャンプー用意してくれるってきのう言ってたから、これから仕事なんだろうな…
そう思いながら席についた