ネムリヒメ.
第7章 知らない自分.
「なにこれ…」
なにこれって!?
すると、ギラッと葵くんの目の色が変わってアタシの首筋をツーっと指でなぞった
「っん…」
その感覚にピクリと肩が揺れる
そこって…
彼がアタシの肩を傾けてそれを鏡に写し出す
「っ…!!」
そう、そこには
きのう葵くんがつけた紅い跡と…
それを上から消すようにつけられた
濃く、深く、紅く染まる噛み跡があった
「ナギだ…」
ポツリと低い声で彼が呟く
今朝、渚くんがベッドでアタシに歯をたてたところにくっきりと残る
まるで自分の…と主張するような
彼のシルシ…
アタシはどうしていいかわからず、葵くんに言葉を返せないでいた
「たち悪っ…」
葵くんが後ろからきつくアタシを抱きしめる
「ナギのヤツ……オレがわざとこんなの見せられて、大人しくしてるわけないの知ってるくせに…」
鏡越しに彼の揺れる青い瞳に見つめられて、ドクンと心臓が大きな音をたてた
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