ネムリヒメ.
第13章 シャンパン☆ストロベリー.
「それからジャーン♪ これからここに行きまーす!!」
そう言って彼に効果音付きで渡されたパンフレット
え…ここって…
「今から!?」
「そ、今から♪」
「え!!」
「ほら早く、時間なくなるから支度しよ?」
「あ、うん」
葵くんにイチゴの箱を取り上げられ、背中を押される
「今日は戻らないから、ちゃんと着替えだけ持ってね♪メイクと髪はオレがやってあげるから」
「えぇ!? 戻らないって…」
「泊まり♪泊まり♪」
そんないきなり、泊まりです♪とかサラッと断言されても困るんですけど
「今夜、ナギいないし…ちーちゃんが眠れないのわかってて、ひとりになんてできないから、オレと出かけちゃお!?」
「葵…くん…」
そっか…前に葵くんに眠れないって泣きついたんだよね
「ほらほら、早くしないと聖と雅が帰ってきて出れなくなるよ? 聖になんて見つかったら、オレ刺されちゃうから…」
黒い笑顔を浮かべる聖くんの姿が思い浮かぶ
「それにちーちゃんは、少し外に出たほうがいいよ」
「………!!」
笑顔の葵くんにポンポンとお尻を叩かれる
「せっ、セクハラ…」
…嬉しかった
「待ってるよ♪」
ヒラヒラと手を振る葵くんに、なぜかドキドキしながら急いで部屋に駆け込んだ