ネムリヒメ.
第14章 シュガー&スパイス
"楓"…
クチュ…ピチャ…
「ねぇって…」
「やぁっ…」
自分のカラダから聞こえる卑猥な水音と耳元で囁く彼の声に、楓の名前が霞む
アタシが好きなのは楓…
…楓だけ
「ちーちゃん…」
「ぁぁっ…」
楓…だけ……のはず、なのに…
…なのに
「っあ……わかん…なぃ…」
…っ!!
───ちょっとショックだった
まさか自分の口からこんな言葉がでるなんて思わなかったから
モノの考えられない真っ白な頭のなかで、なにかが大きな音をたてて崩れ落ちたような気がして、目の前が再び真っ暗になる
しかし、すぐに葵くんに与えられる快感に怖いくらいにカラダが敏感に反応して、
真っ白なペンキをこぼされたかのように再び目の前を真っ白にされた
襲いくる快楽の波が思考回路を凍結させる
「ふ、あ…ぁぁっ、っ…」
「イイ子…」
そう言った彼が、アタシのなかに既に蜜で濡れた長い指を沈める
「ひゃっ…ぁぁっ!!」
「力抜いて…」
「んんっ…」
クチュ…
その感覚にビクリと腰が揺れる
中から広がる温い快感に、目を瞑ると突然カラダが大きく跳び跳ねた