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ネムリヒメ.

第24章  Get back.







…………




「ぶぇっっっ…くしょん!!」


…廊下にできた不自然な水溜り

なぜ、こんなところに!?


それは…


「あー、クッソ…つめて」


身辺整理が裏目に出たせいなのか葵がオンナの沼に沈み、聖はなぜか沈む葵を横目にカジノにいる

挙げ句の果てには渚までもがとんだ足止めにあっている

そんななか唯一、このオトコが部屋の前に辿り着いていた事を示していた


水も滴るイイオトコとはよく言ったものだ

滴るくらいならそれはさぞ美しかろう

しかし何事も度が過ぎるのはよろしくない

程度というものがあるのだ

そう…

そこにいるのは、魔王・渚により全身水びたしの刑に処された雅であった


孤高の気紛れ野郎・望に運悪く絡まれ、理由はあれどやり合ってたところで魔王に蹴り落とされてプールにダイブ

勿論、なかの下着も靴もなにもかも上から下までびしょ濡れだ

スタイリングが流れ顔に貼り付く金メッシュ

シャツも下着も肌にまとわりついて気持ちが悪い

おろして3日経たないドレスシューズは歩く度にズブズブ言いやがる


「………ブッ!!っははは♪水も滴るイイオトコだっけー!?」

「あ゛!?」

「ねーねーねー、冗談も程々にしてくんなぃ!?それ濡れすぎだから」

「おい………」

「あー、お腹いたい。笑い止まんないからこっち向かないで」

「…救急車呼んでやるから、死ね」








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