 
ネムリヒメ.
第24章 Get back.
渚は遮ったその手で直ぐ様、胸のポケットから携帯電話を捕まえる
「だって今日は自宅謹慎ってあれだけ口酸っぱく…」
「んなの、素直に聞く玉じゃないだろ。さすが、望すら泣かせる我が儘オンナ」
「じゃあ…」
「郁のヤツ、そこんとこの詰めだけは甘かったようだな。
まあ、頭んなか好きなオトコしかいないお花畑じゃ、暴走されたらいくら郁でも手に終えないか」
ディスプレイを長い指先でタップしながら一瞬、勝ち誇った笑みがその唇の上に乗る
「さっき泣くほど邪険にして、望に押し付けてきたけどあとで誉めてやらねぇとな…」
「…若葉〈アイツ〉」
 
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