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未知夢

第9章 異動

 繁は走り出した。


 そして、エレベーターの前に立った。


「待てよ……」


 ふと、考えた。


「階段で下りた時は何もなかった。エレベーターではあのタイミングでヤクザと鉢合わせしたから……よし!! 階段だ!!」


 繁はエレベーターの横の階段に足を向け、走る様にかけ下りた。


 足が疲れてくると、手摺りに体を預けて滑って下りた。


「小学校の時、よくこうやって滑って下りたもんだ」


 そうして、あっという間に1階に到着。


 繁はソッとエレベーターの方を覗き見る。


「うっ……」


 思わず声を押し殺した。



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