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未知夢

第3章 酒席

「あぁ、今日は休みなんだ。俺はゲームショップ屋でさぁ……店長を任されてるんだよ」


 7年間細々と勤めてる、ただのアルバイトとは決して言えなかった。


 カラオケ店やレンタルDVDだと、森屋が来る可能性があるから、興味の無さそうなゲームショップと嘘をついて見栄をはった。


 森屋と同等でなくてもいい。多少なりとも、上の立場にいると言いたかった。本当は時給制のアルバイトだが……。


「へぇ、そうなんだ!! 最近、新機種のゲーム機を買ったからまた行くよ。場所どこ?」


 繁の表情が変わった。


(ガチ不味いことになった。こいつゲームするのか!?)と、思いながら、口ではこう言った。


「あ……あぁ、新発売のアドベンチャーゲーム『BOXルーム』をプレゼントするよ」


 ……と、言いつつ(何を言ってんだ俺は……。嘘に嘘を重ねてどうする)と、心で自分を責める。


 森屋は手を軽く横に振った。


「いや、それはもう持ってるから、いいや」


(助かった……)と、胸を撫で下ろした。



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