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未知夢

第10章 身心

〔今は食べる方が先だよな……〕と、滝繁の心と名乗る男はボソッと言った。


「お前、俺だったら自分の行動パターンくらい読め」


〔自分自身だけど、なぜムッとくるかなぁ……〕


 繁はハンバーガーを食べ終えると、紙をクシャクシャと丸めた。


「ご馳走さん、これ、そこに捨てといて」


〔まてまて!! 自分で捨てろよ……て、自分で捨ててるんだから、捨ててこいと言えないよなぁ……〕


 心は紙を捨てると、繁の横に座った。


〔お前、なぜ現代に戻れないのかわかるか?〕


「わからないよ……お前がわかるのになんで俺がわからないんだよ」


〔お前との違いは、俺はお前の奥底にある心と記憶から成り立っている。感じているが表に出ない面を呼び起こすために、俺はお前の前に出てきたんだ〕


「なら、もっと美味いもん持ってこい」


〔お前の予算上から出てくる物ってこれしかなかったんだ!!〕



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