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未知夢

第11章 確保

 アパートの前に来ると、何やら騒がしい。


 救急車が停まり赤いランプがチカチカと回っている。


「なにがあったんだ?」


 繁は気になって見ると、アパートの中から数人の救急隊が出入りしていた。


 すると、担架に乗せられた誰かが、運ばれてくる。


「あっ!!」


 よく見ると、それは隣の亀代おばちゃんだ。


「えっ!? おばちゃん!! どうした!」


 繁が走り寄って声をかけた。


 すると、隊員の一人が繁に駆け寄る。


「すいません、身内の方ですか?」


「いや、あの……隣に住むアカの他人ですけど、よく知ってるもんで……」


「すると……息子さん?」


「なにを聞いてた? だから、他人だって……あの、どうしたんですか?」


 繁は救急隊員に尋ねた。


「いやね、食中毒らしいんだ」


「食中毒?」


「うん……まあ、我々はただの食あたりと見たんだが、苦しみ方が……」




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